今年3月の北海道新幹線開通に合わせて、これまでの在来線が第3セクターに移行して「道南いさりび鉄道」として新たにスタートしました。それから4ヶ月余り、いさりび鉄道を利用する機会があったので、その時のことをレポートしたいと思います。
1.「道南いさりび鉄道」とは
北海道新幹線開業にあたり、
JR北海道から経営分離される江差線(木古内駅・五稜郭駅間)は通勤や通学など日常生活に重要な役割を担っているとともに、北海道と本州を結ぶ物流の要であり、欠かすことのできない路線です。
弊社は、この路線を運営するため、北海道、沿線市町および民間企業から出資をいただき、地域の公共交通機関として平成28年3月26日に開業します。
(道南いさりび鉄道HP 社長挨拶より引用)
という経緯で誕生しました。
北海道新幹線開業までは津軽海峡線で青函トンネルを通過して本州と北海道をつなぐ特急白鳥や貨物列車、各駅停車の在来線が走っていました。それが北海道新幹線開通で特急白鳥が廃止され、JRから道南いさりび鉄道に在来線の運航が引き継がれ、地元の足が確保されることになりました。
2.駅舎
新幹線開業前の外観は、2階建てで昭和を感じさせるような少し古びた感じの建物でした。構内も2階に待合室と改札、切符売り場、キヨスクがありました。改札窓口で切符を買うこともでき、駅員さんの対応もよくてアットホームな雰囲気の駅でした。
新幹線開業で外観はきれいに整備され、内部も2階へ行くためのエスカレーターやエレベーターが整備されました。けれど、新幹線のホームと駅舎はいさりび鉄道とは別棟になっているため、待合室などはそのままの内装でした。また、経営効率化のためだと思いますが、それまであった窓口やキヨスクもなくなり駅員さんも常駐せず、切符は自販機で購入するようになっていました。

いさりび鉄道と木古内駅
この切符の自販機がくせもので、千円札、5千円札、1万円札を受け付けてくれると言う表示がありますが、片道分の切符を購入するときは千円札しか受け付けてくれません。回数券を買うときだけは五千円札や一万円札が使用可能なようです。
乗車券と整理券
ちなみに料金は木古内~函館間の片道で1110円でした。
3.車両
テレビでよく紹介されるのは、紺色にたくさんの手書きのようなイラストと「いさりび鉄道」の文字が入っている車両ですが、いつもその車両が走って言う訳ではないようです。今回僕が乗った車両は、JR時代からおなじみのシルバー地に黄緑のラインが入った1両編成の車両でした。

いさりび鉄道
7~8年前に一度、JR時代の在来線に乗った時と同じく、窓を開けることもできれば、イスは直角背もたれの懐かしい車内です。ただその時と違うのは、駅の改札口が無人なので、バスのように車両出入口は前方1か所のみで運転手さんが乗り降りを確認できるようになっていて、整理券も出るようになっています。
五稜郭駅以外の途中で降りるときは、現金や切符をバスのような車両出口の支払い機に入れるようになっていました。
4.旅程
木古内~函館間を約1時間かけて走ります。そのあいだ、5分おき位で各駅に停車していました。僕が乗ったのは夕方で、渡島当別駅までは木古内から乗った僕を含めて4~5人だけでしたが、渡島当別駅で6~7人が乗り込んでからは、だんだん人の乗り降りが増えてきて、北斗市の久根別駅以降は地元の学生さんやサラリーマン、お年寄りなど、ほんとに地元の足としてなくてはならないのだと思いました。
今回ひとつ失敗したのは、始発の木古内で乗り込み空いていたにもかかわらず、山側の席に座ってしまったことです。天気はあまり良くなかったのですが、せっかく乗ったのに海の向こうに見える函館市街や函館山などの景色を楽しむことができず、もったいないことをしました。
5.ちょっと楽しいこと
車内でくつろいでいると、停車駅が近づいてきて車内アナウンスが流れます。おそらく録音だと思いますが、女性の声で「次は○○駅、お忘れ物のないように」というような内容が流れるのですが、その雰囲気がなんとなく市内循環の路線バスのような感じで、なごむような懐かしいような、少しいい気分になります。
6.まとめ
道南いさりび鉄道は基本的に1両編成のようですが、通勤通学時間帯は2両になることもあるようです。
僕自身、仕事でJRに乗る機会が年に数回ありますが、そんな時は特急を利用しています。特急に比べると各駅停車のローカル線は時間がかかったり、座席がリクライニングではなかったりと、快適さでは劣る部分もありますが、のんびりとした旅行気分を味わえました。30代まではこのゆっくりペースを楽しめませんでしたが、40代半ばになって不便さも楽しめるようになってきた自分を発見することができました。
次に乗る機会があれば、海側の席で景色をじっくり堪能しようと思います。
みなさんも道南いさりび鉄道でのんびり旅行気分を味わってみてはどうでしょうか。
道南いさりび鉄道の詳しい情報はこちらをご覧ください。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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